福島白川のワンタンメン

福島県での一人暮らしは外食が多かった。

昼食はまず外食がほとんどと言ってよい。ラーメン、そば、定食屋さんのご飯ものなどが定番メニューである。

福島県の中でも郡山市は蕎麦屋さんよりもラーメン屋さんがとにかく多いところでもあった。

だからてっとり早く昼食を済ませたいときには大体がラーメン屋さんに入ってしまう。

ところが、このラーメンのスープがどこの店でも間違いなく濃い目の味付けで仕上がっていた。

2、3軒店を変えてみて食べたが、これを毎日たべたら間違いなく体に変調をきたすだろう、

と真剣に思ったものである。

それ以来しばらくはラーメン屋さんの暖簾をくぐることをやめたが、

ある日リフォーム業者から『ワンタンメンの旨いところが白河にあるんだけど、どうですか一緒に食べませんか』

と言われ、その誘いに乗った。

約1時間をかけて白河に到着、店はこじんまりとした昔ながらの食堂で老夫婦二人きりで切り盛りをしていた。

店内には椅子席のテーブルが3卓、3畳くらいの座敷にもテーブルが二つあるのみですでに満席だった。

先客が食べ終えるまで待たされ、ようやく順番がまわってきた。

そこで驚いたのがお客さんの7、8割がワンタンメンを注文していることだった。

ほかにも壁にいろいろなメニューが張り出されていたが、ほとんどのお客さんはワンタンメンを注文していた。

『とにかく旨いから』という連れの一言で迷わずワンタンメンを注文、食べてみてその言葉がうそでなかったことが

分かった。

もう一つ、この小さな食堂は福島県版の地図帳をめくると白河市の地図にその名がのっている

有名な食堂であったことも分かった。

ワンタンメンを食べたいと思う人はぜひ一度といいたいところだが、あの老夫婦のことを思いやって

今回は店名を伏せさせていただきたいと思います。