アパート建築中に建主が死亡してしまった時の相続評価

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アパート建築中に建主が死亡してしまった時の相続評価

 土地の有効活用を図る場合、相続対策を兼ねるケースが少なくありません。しかし、アパートの建設途中に建主(被相

続人)が亡くなってしまった場合は、どのような扱いになるのでしょうか?

 結論をいうと、この場合は建物の出来高相当額の70%で建物を評価することになります。もし、出来高に応じて建物代

金を支払っていたとすれば、出来高に対する支払いの30%が相続対策上、資産を圧縮できることになります。仮に、工事

代金が3000万円で出来高に応じた費用相当額が1500万円(3000万円の50%)とすると、建設中のアパートの相続税評

価額は次のようになります。

1500 万円× 70%= 1050 万円(アパートの相続税評価額)

 このケースで、被相続人が既に2000万円を支払っていたとすると、出来高相当額1500万円との差額500万円は、前渡

金として相続税の課税財産に計上することになります。一方、出来高相当額1500万円まで支払いが行われていない場

合、その未払金は相続債務として計上することになります。

▼借入をするだけでは相続対策にはならない

 例えば、建主の余命が半年と宣告され、急遽相続対策としてアパートを建築するケースで、アパートの着工時にすべて

の建築資金の融資を受け、建主の預金口座に入れておけば相続対策になると考えている方が時々います。

 しかし、これはまったく相続対策にはなりません。なぜなら、仮に借金を1 億円したとしても、自分の預金口座に1 億円

の現金が振り込まれているだけであり、相続資産の圧縮にならないからです。アパートを建築し相続対策をするということ

は、借金をしてその資金をアパートという資産に組替えることにより、そのアパートの借家の評価と借金の差額で相続資

産の圧縮へつなげるわけです。したがって、実際に建物の出来高に応じた支払分(未払い分を含む)のみが相続対策に

つながることになります。