契約書を取交わす(その11)

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契約書を取交わす(その11)


 ▼売買契約書の内容と確認事項

第16条 引渡し前の滅失・毀損


 この条文では、地震などの天災地変で、売主と買主両方に責任がない場合に、物件が期日通りに引渡せない時のことを規定しています。民法は債権者負担を取るので、地震で建物が倒壊してしまっても、そのまま引渡すことになっています。
(民法534条)が、この規定は強行規定という「絶対に変更できない規定」ではないので、当事者間の契約で特約をつけられます。実務上も「買主は天災地変で滅失したとしてもそのまま建物が引渡される」という条文はまず適用されず、買主は契約を解除できるとされることが多くなっています。
 また、修復すれば引渡しが可能な場合はどうするかという場合についても取決めます。通常、売主が費用を負担して修復を行い、引渡し期限が過ぎてしまっても買主は異議を述べないことになっています。例えば地震が起きて時価1000万円相当の建物に1500万円の修繕費がかかったとします。こういう時は、売主は契約を解除できて、買主もこの毀損によって購入できなくなれば、契約を破棄できることになっています。いずれにせよ、契約が解除されれば、売主は預かった金銭(手付金など)を無利息で買主に返します。